考えてみた。セリーグは1950年発足の時点で、既に巨人、大阪(現阪神)、中日、広島と現在まで続く4球団があり、他に国鉄(産経→ヤクルト)と、大洋と松竹(この2つが合併して大洋松竹→大洋→横浜大洋→横浜)と西日本(パリーグの西鉄と合併して消滅)があったわけだが、つまり巨人、阪神、中日、広島と「伝統の球団」が4つもあるわけである。しかもこの4球団はきれいに東京、大阪(兵庫)、名古屋、広島と発足時点から散っているのだ。そして横浜の母体の大洋は発足時点で既に存在していたわけで、そういう意味では経営者が一番新しいセリーグ球団はヤクルトただ一つなのである。しかしもう30年以上前からヤクルトアトムズ(現スワローズ)はあるのだ。

一方、パリーグは西鉄、阪急、南海、東急、大映、毎日、近鉄で発足しているわけだが現在まで経営者が変わらないのは最近何かと話題の近鉄ただ一つである。伝統の球団が1つしかなくしかもその球団が合併消滅の危機にあり、しかも一度も日本一になっていないとはなんと言う皮肉か。変わらないことを美徳と見る向きも多いが、セリーグでは伝統の巨人阪神が人気なのに、パリーグではそういう球団が無い。つまりパリーグには盟主が存在しないのだ。特に阪急、南海、近鉄と関西地方電鉄球団が3つもいたのが悲劇だったと言えよう。阪急も南海もパリーグの名門ではあったが、どちらも近過ぎたということは無かったか?地域一帯で「ここ」というのが無かったというのはどうなんだろうか。つまりリーダーシップを執れる球団が生まれない背景はここにあったのではなかろうか。寄り合い所帯で来てしまったから誰もリードできなかったし誰もリードを許さなかったし許せなかった、これが発展を阻んだのではないだろうか。一つでもセリーグにいれば状況は変わっていたかもしれないはずだ。しかも西鉄や東急も入れれば発足時5球団が私鉄である。国鉄がセリーグにあったからなのか当時の経緯は知る由も無いがアンバランス感は否めない。

そもそもリーグ分裂の理由は読売主導のセリーグに対して毎日が対抗してパリーグを引っ張るという図式で誕生したはずであるが、その毎日が早々に消えてパリーグの迷走が始まったのかもしれない。毎日が盟主になっていれば少しは状況も変わっていたであろう。パリーグは関西の電鉄勢力に食われてしまい、その電鉄3社が足を引っ張り合ったのだろうか。東急も西鉄も早々と消えたあたりにそういうニオイが感じられるが昔の話はよく知らない。

前後期制、DH制、予告先発、月曜興行、そして今年のプレーオフ導入といろいろとパリーグは面白いことをやってきたし、パリーグなりに頑張ってきたとは思うが、つまりは何をやってもダメで最初から現在まで盟主がいなかったのが痛いのだ。だから巨人とやりたいという幻想が付きまとうのは仕方の無いことなのかもしれない。それで一リーグだと言い出したのだろう。

何故パリーグはパリーグで行こうとしないのか、何故新興勢力に背を向けるのか。やる気があるならたとえ一年だって任せてもいい。無くなるよりマシだ。太平洋もクラウンも日拓もすぐ無くなったが、未だに続いているのはそのときのそういうツナギ役、ピンチヒッター、ワンポイントリリーフがいたからである。いなかったら消えていたのだ。唯一リーグ発足から続く近鉄は残念ながら息切れ寸前であるが、ライブドアだろうと何だろうとワンポイントリリーフでいいからつなげさせろと。ここで切ってはいけない。5チーム以下になった歴史は無い。6チームで存続すべきなのだ。大映と毎日が合併して大毎となり、東京となってロッテになるのは相当古い話だし、東急が東映になるのもかなり古いが、西鉄が太平洋になってクラウンになって西武になったり、東映が日拓ホームになって日ハムになったりとごちゃごちゃ動いた時代はぎりぎり知っている。日拓やクラウンなんて一年しかなかったチームだし、太平洋も二年しか持たずひどかったものだが、それでもチームがあったからいまや西武や北海道日ハムとして存続しており、松坂や新庄がいて人気チームになっていることは確かだ。潰してしまっては元も子もない。太平洋やクラウンなんて恐ろしく弱くて人気の無いチームだった。東尾一人だけ状態からよくもまぁあの常勝西武になったものである。日拓ホームもどうしようもなかったが大沢親分の日ハムになってからは強かった時期があった。最近でも阪急がオリックスになったり南海がダイエーになったり身売りこそあったがチームは存続した。頑張ろう神戸で優勝したオリックス、卵を投げつけられるほど弱かったダイエーがいまや王者だ。セリーグに比べて激動のパリーグである。それを面白いと見るのか、普遍性を求めるのか。近鉄は唯一日本一を経験していない球団であるが、西本監督時代の二年連続優勝や仰木監督時代のあの10.19川崎決戦やロッテより弱いと言ったかどうか知らないが巨人に3連勝4連敗した頃がピークだっただろう。それぞれに時代があった。今後もそういうパリーグであって欲しい。TVで見れない面白さもあるのだ。5球団になったら常に試合が組めるのは4球団だし、試合数は絶対に減るから地方興行なんて無くなってしまうのだろう。そんなことではますます衰退する。

今でこそパリーグのゴールデンカードは西武対ダイエーであるかもしれないが、どちらも新興のチームである。新しさを追い求めるリーグなら新しいチームをどんどん入れて行ってもいいではないか。つまり何故近鉄とオリックスは身売りではなく合併にこだわるのか。まだ本意が読めない。絶対に裏がある。