優良部品
自動車部品には大きく分けて「純正部品」と「優良部品」がある。純正部品は言うまでも無く、各自動車メーカーが自社で販売したクルマ向けに専用に販売している部品で、主にディーラーの自社工場で使用される。優良部品はここに書いてある通り、部品メーカーが自社ブランドで製造して商社を通じて販売している部品で、部品商、カー用品店、ガソリンスタンド、民間工場などで使用される。純正部品と優良部品との性能差はほとんど無い。理由は他でもなく、優良部品を製造しているメーカーが純正部品を製造していることが多く、逆に言えば優良部品が純正指定されていることも多いわけだ。 そもそも純正部品のほとんどは自動車メーカー自身が作っているわけではない。各部品メーカーがパッケージを各自動車メーカーに合わせて製造し、各自動車メーカーに納入しているのだ。タイヤやバッテリーを考えてみればこれらはすぐ理解できることである。トヨタや日産がタイヤを作っているのではなく、ブリヂストンやミシュランがタイヤを作っているし、GSユアサや古河電池(FB)がバッテリーを製造している。エアクリーナーはエアクリーナーメーカーが作っているし、オイルエレメントはオイルエレメントメーカーが作っているし、ワイパーもブレーキパッドもベルトもたいていはそうだということだ。 従って純正部品と優良部品の両者は"場合によっては"同じモノといっても過言ではない。しかも純正部品に比べて優良部品は価格が安い。この理由は純正部品に比べて流通ルートが多岐にわたるため汎用性が高くなり量産が可能になるからだと思う。どういうことかというと、例えば最近、トヨタや日産において、わざわざ純正品番を指定して注文しても消耗部品に関してはDRIVE JOYやPITWORKの部品が出てくることが多くなったし、ホンダもHAMPとかマツダもMotorcraftとか各社いろいろ「第二純正ブランド」を立ち上げている。単純に言えば純正部品そのものなのだが、トヨタや日産など自動車メーカーのブランドではなく、純正部品に対して独自ブランドを持たせたものであるとも言える。 では、各部品メーカーはなぜ第二純正を登場させたのか。例えば、今までは日産なら日産の車両に合う物だけを純正部品として生産して、日産純正ラベルを付けて日産に納入すれば良かったが、それではまずい現象が発生してきたのでPITWORKブランドを被せるようになったのではないか、と推測してみる。この理由として考えられるのがクルマ自体のOEMだ。日産のADバンはファミリアバンとしてマツダに、ランサーカーゴとして三菱に供給しているし、逆に日産にはマツダからはボンゴバンがバネットバンとして、三菱からはミニキャブがクリッパーとして供給されていたりする。こういう例は他にも多数ある。 例えばマツダからファミリアバンを買ったとする。マツダのディーラー工場にオイル交換を依頼するとしよう。しかし載っているエンジンは日産のエンジンである。本来ならばオイルエレメントは「日産純正部品」を使わなければならないはずだ。しかしマツダの部品調達ルートに「日産純正部品」のオイルエレメントをラインナップすることはできないだろう。部品メーカーサイドとしても「日産純正部品」の箱のままではマツダに納品ができない。従って日産純正部品と同じ部品にPITWORKブランドを付けてPITWORK製として(或いはMotorcraftブランドで)マツダに納入するわけだ。日産純正部品ではないが全く同じモノ、同じ品質の部品であり中身は同じ。つまり「日産マークの無い日産純正部品」として、マツダディーラーが堂々と使えるわけである。こういう経緯で"第二純正"が誕生してきたのであろう。 第二純正ブランドは次第にそうやって、直接的に或いは間接的にあらゆるメーカーの部品を網羅することになる。部品メーカーとしても純正部品なら販売数も決まってしまって売上が伸びないが、このように別ブランドにすることによって他への展開が図れるようになり売上が伸びるし、独自ブランドを持つことによって、ディーラー系だけではなくカー用品店やホームセンターへの展開も図れるのだ。そういうわけで、頻繁に交換される消耗部品は純正指定メーカーに限らず色々なメーカーが各自製造していることが多く、これは部品の供給体制としても必要なことである。そのようなメーカーのものであれば、純正部品ではないからといってトラブルが発生するようなことはまず無い。 実際、毎日どのくらいのクルマがガソリンスタンドやカー用品店を利用してオイルエレメントの交換をしているかということを考えれば、実際にトラブルがあった話がどれだけあるのだろうか。「社外品(非純正)の部品はよろしくない」などともっともらしく講釈をたれる人がいるが、上記のような理由で全くナンセンス、不毛な話だと思う。もしこれが本当で不具合が多発するなら純正ではない品物を売っている店、つまりオートバックスやイエローハット等のカー用品店、タイヤショップ、またそれを使うガソリンスタンドや町の整備工場などは商売にならないだろうし、PL法の絡みもあるからその部品の製造会社は商売にならないはずだ。 というわけで、ベルトにだって同じことが言える。ベルトをスズキが製造しているわけが無い、ベルトはベルトメーカーが作っているはずだ。ボンネットを開けて見てみると純正ベルトにはBANDOのマークがあった。これによって純正部品はバンドー化学の製品であることを知る。純正部品番号は95141-60G90、パーツカタログを見ると価格は3400円。スズキの営業マンに頼めば20%引きで買えるので2720円か。そこに5PK1650という表記がある。これが汎用規格だ。5山の全長1650mmのベルトということである。個人的には「ベルトといえば三ツ星」と思っているので(でも創業は大正8年でバンドーの方が古いんだよね、あくまでもイメージの問題)、三ツ星ベルトで見積を依頼すると東京ラジエーター大館さんからは2345円の見積が来たので迷わず発注。
三ツ星ベルトのリブスター、5PK1650L。それにしても長いベルトだ。エスクードのJ20Aはこの一本で全ての捕機類を回す。従って切れたら終わり。まだいけそうだが、ひびが多数入っているのでGWを前に予備を積んでおこうというわけだ。
JAPA推奨、優良部品のマーク。もちろん三ツ星は純正部品も作っております。